キャリア・プラトーについて調べて、自分自身を考えてみた
きっかけ
てぃーびーさんのこのつぶやき
名前あったんか。受託の下請けとかでありがちなあの現象 “同じ仕事を続けると学びが頭打ちになることを「内容プラトー」と呼びます” / 1件のコメント https://t.co/ki6j5IUrWU “優秀な若手社員はなぜ離職するのか? ~D社の離職要因調査の事例~” (1 user) https://t.co/lHb5JFpzJ7
— てぃーびー-Rec Ops-デブサミ2020登壇予定 (@tbpgr) 2020年1月12日
リンク先の記事を読んでみると、わからないことが浮かぶ。
- キャリアプラトーってなんだろうか?
- 自分は一体、どういう状態だったのだろうか?
余談
私自身が文系寄りでオタク気質でもあるので、プラトーといえば、ガタリの「千のプラトー」(https://ja.wikipedia.org/wiki/%E5%8D%83%E3%81%AE%E3%83%97%E3%83%A9%E3%83%88%E3%83%BC)か、魔法陣グルグルの「プラトー教」が出てくる。
プラトーとスランプの違い
過去にどこかのLTかスライドで見た記憶ですが。
- プラトー:高原状態、成長などにおける理想とする曲線と、現状の描く曲線の比率が変わらない状態
- スランプ:低下状態、成長などにおける理想とする曲線と、現状の描く曲線が現状が低下する方向に開いていく状態
ググってみた
後で色々漁っていたら、日本での「キャリアプラトー」については最初期の研究者らしい。
- リクルートマネジメント研究所による研究レポート
https://www.recruit-ms.co.jp/research/thesis/pdf/2010jaiop.pdf
「キャリア・プラトー」と合わせて「プロフェショナル・プラトー」の概念が出てきている。
「プロフェッショナル・プラトー」はITエンジニアの下請けにいる人が陥りそうな概念だと感じる。
- 関西学院大学による研究
https://kwansei-ac.jp/iba/assets/pdf/journal/studies_in_BandA_2011_p109-122.pdf
- 個人がキャリアプラトーに陥った時にどんな行動を取るかについて
- キャリアプラトーの類型
- 加熱と冷却
- 加熱:成功を得ることへのアスピレーションへの焚つけ
- アスピレーション:熱望、大望などを指す
- 日本の長期雇用は、同一年次同一昇進、昇進スピード競争、敗者復活制度など、加熱のシステムが上手く働いていた一例
- しかし、加熱の構造は最終的に多くの失敗者を生み出す
- 官公庁などで、昇進に失敗した層が一定の年齢で退職していく現象がこれだろうか?
- アスピレーション:熱望、大望などを指す
- 冷却:失敗者に対し、失敗を上手く受容させる状況を作ることで、面目と自尊心の失墜を最小限に抑える
- 失敗者が自分の願望レベルと現実の折り合いを上手くつけ、現状で満足させるための作用
- 加熱:成功を得ることへのアスピレーションへの焚つけ
- 失敗への適応類型
- 次に上げる2軸で4類型に分けられる
- アスピレーションの維持と低下
- 価値観の変換と非変換
- 次に上げる2軸で4類型に分けられる
自分の考察
「キャリア・プラトー」、「プロフェッショナル・プラトー」とITエンジニア
- 下請け層のエンジニアの陥る「キャリア・プラトー」、「プロフェッショナル・プラトー」
- まず、ITエンジニア自体が「専門職」という位置づけにある
- 下請けでは実務面について、技術に関して会社で請ける案件ごとに異なる状況
- 実務面においての積み重ねが薄く、広く、ばらつきが出る
- 専門領域に対しての自信喪失→プロフェッショナル・プラトー
- キャリアプラトーに陥りそうなのは、ウォーターフォール型開発において、単一/狭いフェーズの仕事しか受けられない事ではないか
- 回避する方法はあるか?
- 自ら専門性を身につける
- 実務で激務な状態や、すでに無気力に陥っている場合はこの状況に移行することが難しい
- 転職により、専門性を高めやすい環境に移る
- 同じ下請けでも、より専門領域を絞った会社(例:Webシステム専業など)へ転職する
- 業務を総合的に見るなら、上流工程から一括で請けている会社、事業会社、もしくは自社サービスの会社へ移る
- 視点についてどういう絞り方をするかがポイントになるのではないか?
- いずれも、下請けよりもシステム全般に関する広範な知識はつくと予想される
- 上流工程から一括請け:システム開発全般についての専門知識
- 事業会社:業務知識、業界知識
- 自社サービス開発:ターゲットにする業務もしくは業界への知識
- 視点についてどういう絞り方をするかがポイントになるのではないか?
- 下請けで専門性が薄くなると、専門性を高めやすい環境に移るための自信や、能力が低下することもしばしば発生する
- 自ら専門性を身につける
- 下請けでは実務面について、技術に関して会社で請ける案件ごとに異なる状況
- まず、ITエンジニア自体が「専門職」という位置づけにある
- 私の陥っていた状況はなにか
- キャリア・プラトー
- 会社として設計やマネージャーに進んで欲しい
- が、研修や段階的ステップアップができる案件が不足気味だったという印象
- 小さな成功体験を積みにくい→失敗経験の蓄積→自信の喪失
- が、研修や段階的ステップアップができる案件が不足気味だったという印象
- 会社として設計やマネージャーに進んで欲しい
- プロフェッショナル・プラトー
- 部門的に、別部署では請けられない開発を請ける、開発なんでも屋のような様相を呈していた
- やや激務に陥ることが多かった印象がある
- 多くの案件でピーク時に退社時間21:00超えを1~2ヶ月続ける状況が発生していた
- 自分のやったことの効力感が分からないと感じていた
- 会社としては、そういう環境・状況でも黙って耐える人を求めている印象を受けた
- 最終的な事象
- 会社でやる仕事そのものへの強い虚無感
- 虚無感を埋めるために楽しみ・趣味に意識を向けすぎる
- 仕事が進まない、身が入らない
- 仮に裁量を与えられていたとしても分からない、裁量を適切に振るえない
- この会社ではこの先まともに能力を高められないという空虚感
- かといって転職に動く事もできない自信のなさ、気力の喪失
- 虚無感を埋めるために楽しみ・趣味に意識を向けすぎる
- 会社でやる仕事そのものへの強い虚無感
- キャリア・プラトー
- 下請け層のエンジニアの陥る「キャリア・プラトー」、「プロフェッショナル・プラトー」