西村さんの雑記ログ

技術や趣味について色々。

技術書典7で買った技術同人誌の感想(その1)

技術書典7から早1ヶ月が経ちました。
お風呂上がりの15分程を使って少しずつ買ってきた技術同人誌を読んできましたが、買った技術同人誌の内の半分程まで読み終えましたので、読み終わった技術同人誌について簡単に感想を書いていきます。

目次

理論と事例でわかるモチベーション

kawagoi@理論と事例でわかるモチベーション (@kawagoik) | Twitterさんによる、前半は理論から、後半は事例からモチベーションについて学べる本です。
凹んでいる時に前作の「理論と事例でわかる自己肯定感 - 教育心理学を学ぶ会 - BOOTH」を読み、元気づけられたので新作も購入しました。
中々やる気が出ない人、モチベーションについて知りたい人におすすめです。
後半の事例に関しては、取り上げられている事例がエンジニアなので、エンジニアあるある感が満載です。
巻末に参考文献の一覧が載っていて、より深く学びたい方にも優しいですね。
おまけに掲載されている各種チェックシートでは、「やる気の自律性」、「成長/成果志向」、「意思の強さ」について自己分析することもでき、良いと感じました。

AWSなのに、エモい。

ある日、AWS Cafeの一室で古いPCにフロッピーを差し込んだ主人公は、突然ピラミッドの中に飛ばされ、脱出するためにピラミッドの仕掛けを解くことに。
ところがピラミッドの仕掛けはAWSで見たことのあるようなもので……
かろてん@AWSなのに、エモい。 (@carotene4035) | Twitterさんによる、ガッチリした理屈でなく、小説を通してAWSのネットワーク周りに触れていく一冊。
小説仕立てに理屈に触れる本と言えば、結城浩先生の「数学ガール」シリーズもそうですが、『技術書や固い本って難しそうだなあ』と感じる人の入り口に良いですね。
冒険ものの小説なので、AWSのネットワーク周りは理論でもありますが、仕掛けそのものでもあります。
こういう小説仕立てだと、比喩として理解しやすくてとても分かりやすかったです。
「エモい」というタイトル通り、単純な脱出劇ではなく、後半で登場する人物のとある背景や、彼の引き起こす出来事はたしかに「エモい」です。

入門!実践!サーバーサイドkotlin

FORTE@aozorafm (@FORTEgp05) | Twitterさんによる、サーバーサイドkotlinに触れる本です。
kotlin自体がJVM上で動く言語なので、サーバーサイドJavaとSpring Bootについて基本を知っていると見たことのあるコードが出てくるのでスルスルと読めます。
もしあまり知らないとしても、実際の操作方法やコマンド、コードが丁寧に記載されているので、とにかくまず読んでみて、分からない所や深堀りしたい所をググって調べてみるスタイルでも大丈夫かもしれません。
サーバーサイドJavaは少しやったことがあるのですが、kotlinは簡潔に安全なコードが書けそうで良い感じですね。

Career Change エンジニアのキャリアを伸長するパターンぽいアプローチ

いなやまふみたか『技術書典7 き26D 』 (@inayamafumitaka) | Twitterさんによる、エンジニアのキャリアパスに関するスキルを取り扱った本です。
ひよっこエンジニアの「美原アユ」が先輩たちとの対話を通して、エンジニアのキャリアと必要なスキルについて考えていく、というストーリーがあります。
まずはマインドマップで能力を伸ばす方法について考え、その方法や立ちはだかる課題をいくつかのパターンに分けてそれぞれに詳しく解説する、という構成になっています。
デザインとして、ページ端にインデックスのようにして章やパターンごとに名称とマークが振られているのは、読みたいテーマを探すのに良いですね。
後半のパターンに関しては、一つのパターンごとに「要約」、「状況」、「フォース」、「問題」、「解決」、「適用結果」と構成されていてとても分かりやすかったです。
余談ですが、合間に入る写真はモノクロですがスイーツの写真なので、「美味しそう……」と思いながら読んでいました。

PhoenixLiveView と Nerves をさわる Elixir へのいざない

みずりゅ(技術書典7せ27D:しがないラジオsp65出演しました。) (@MzRyuKa) | Twitterさんによる、Elixirに触れる本です。
Webフレームワークである「Phoenix」のシングルページアプリケーション向けライブラリである「LiveView」と、組み込み向けフレームワークの「Nerves」を使ってElixirに触れていきます。
表紙のキャラクターはほのぼのしていて可愛いですね。
関数型言語ということで、コードはとてもシンプルです。
言語として面白いのは、関数にもパターンマッチがあり、特定の引数が来たときのみ決まった処理にする(例:引数が「0」なら必ず「1」を返す等)、という実装は関数内の分岐ではなく、関数のパターンマッチによって実装します。
余談を書くと、ElixirはErlangの仮想環境で動く言語なのですが、「Erlang」の「アーラン」という読みを知ったときに「ネットワークスペシャリストで見た単語だな」と思って調べてみたら、語源はどちらも同じ(アグナー・アーラン - Wikipedia)なのだそうです。