西村さんの雑記ログ

技術や趣味について色々。

ゲーム感想:牧場物語 オリーブタウンと希望の大地

過去の記事で、『「牧場物語 オリーブタウンと希望の大地」については別の記事を書こうと思っています。』と書きましたが、今回はその記事になります。
発売日に買ったものの、現時点でシリーズで一番プレイ時間が短くなってしまった作品となっています。

牧場物語」シリーズについて

牧場物語」シリーズは1996年から続くゲームシリーズです。
ポケモンと同じ位の歴史がある、と捉えるとだいたい合うかと。
発売されるプラットフォームは時々変わるのですが、ここ10年ほどはほぼ任天堂プラットフォームです。ソニープラットフォームでは番外編や、移植版といった形で出ることがあります。また、この前作にあたる「再会のミネラルタウン」、コラボレーション作品の一つ「ドラえもん のび太牧場物語」はSteamでも販売されています。
ゲーム全体の流れとしては初代からおおよそ変わりはなく、何らかの理由で荒れ果てた牧場の主になった主人公が、野菜や動物を育てながら牧場を開拓しつつ、近隣の町の人々と交流し、そのうちにパートナーを見つけて家庭を築く……というのが全体の流れです。

プレイ歴

長く続くシリーズですので、以下にプレイ歴を一覧表で示します。
並び順は作品の発売順、リメイクや移植などを後に続けています。
表の項目は以下のとおりです。
- タイトル:ソフト名 - ハード:ゲームが発売されたハード - プレイ:実際にプレイしたかどうか - 年数:最大でゲーム内の何年目まで進めたか
- 結婚:結婚まで進めたか - ED:スタッフロールを見たか

また、表中の記載は以下の通りです。
- ○:プレイした/結婚した/EDを見た - ✗:プレイしていない/結婚していない/EDまで見ていない - -:プレイしていない、結婚システムが無いなどの理由で対象外 - ?:覚えていない

タイトル ハード プレイ 年数 結婚 ED
牧場物語 SFC 3年
牧場物語GB GB ? -
牧場物語2 N64 - - - | -
牧場物語GB2 GB ? -
牧場物語 ハーベストムーン PS 6年
牧場物語 ハーベストムーン for ガール PS - - -
牧場物語 ハーベストムーン ボーイ&ガール PSP 1年
牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち GBA 8年 ?
牧場物語 ミネラルタウンのなかまたち for ガール GBA - - -
牧場物語 再会のミネラルタウン Switch - - -
牧場物語GB3 ボーイ・ミーツ・ガール GBC - - -
牧場物語3 ハートに火をつけて PS2 - - -
牧場物語 シュガー村とみんなの願い PSP - - -
牧場物語 ワンダフルライフ GC 3年
牧場物語 ワンダフルライフ for ガール GC - - - | -
牧場物語 Oh! ワンダフルライフ PS2 1年
牧場物語 しあわせの詩 GC - - - | -
牧場物語 しあわせの詩 GC - - - | -
牧場物語 しあわせの詩 for ワールド GC - - - | -
牧場物語 コロボックルステーション DS - - - | -
牧場物語 コロボックルステーション for ガール DS - - - | -
牧場物語 キミと育つ島 DS 2年
牧場物語 キラキラ太陽となかまたち DS 2年
牧場物語 やすらぎの樹 Wii - - -
牧場物語 わくわくアニマルマーチ Wii 2年
牧場物語 ようこそ!風のバザールへ DS - - -
牧場物語シリーズ まきばのおみせ Wii - - -
牧場物語 ふたごの村 DS 2年
牧場物語 ふたごの村+ 3DS - - -
牧場物語 はじまりの大地 3DS 2年
牧場物語 つながる新天地 3DS 2年
牧場物語 3つの里の大切な友だち 3DS 3年
牧場物語 オリーブタウンと希望の大地 Switch 1年

こうして書くと、シリーズのうちリメイク・移植を除くと約半分ほどをプレイしています。
しかし、作品によっては結婚やEDにはかなり時間がかかるため、そこまでは至らないものもかなりあります。

www.bokumono.com ja.wikipedia.org

事前の期待感

Switchで牧場物語シリーズが出るということは、Switchの発売時から任天堂の発表で出ていました。
また、据え置き機で最後に発売されたのが2008年の「わくわくアニマルマーチ」であり、それ以降10年以上DS、3DSの携帯機で出ていたこと、直前のリメイクやコラボレーション以外のシリーズ作品である「3つの里と大切な友だち」の出来が良かったこともあり、プロデューサーの変更という不安点はありながらも、期待感は高めでした。
発売前の動画でロードが長い、牧場内にオブジェクトを大量に配置するとカクつくのは分かっていましたが、過去作品でもロードが長い作品はあったので、そこは耐えられるかなと思っていました。

プレイしての感想

ニンテンドーストアでパッケージ版を予約して買ったので、発売日に入手することができ、その週の週末に早速プレイしてみました。
少し違和感があったので5chの作品別スレッドを見ると、不満が大量に上がってきていました。
恐らく、シリーズ作品であそこまで初日から不満で一杯になったことは2ch/5chが活発であった頃でもなかったかなと思います。
新しいことにチャレンジする姿勢は評価しますが、そもそも牧場物語シリーズとしての本質部分への詰めが甘すぎて、「牧場物語」としての楽しさが大幅に削がれていると感じました。
新しく入れた要素も詰めが甘く、「牧場物語」としての楽しさを相乗効果で上げられているかと言えば首をかしげるような出来でした。

感じたこと

良くない点

メディアの形態を考えるとやはりロードが長い

過去作でもロードが長い作品はあったのですが、それらは光学メディアの作品でした。
SwitchはSFC、DS、3DSなどと同じくカートリッジのメディアです。
そこを鑑みると、この作品のロードは長すぎると言わざるを得ませんでした。
幸い、オンライン機能をOFFにすると軽減されるという情報を入手し、 オンライン機能をOFFにすることで解決しました。
また、現在はパッチでロードは大幅に軽減されています。

メーカーの性能が良くない

このシリーズにはメーカーといって、ミルクなどを原料としてチーズやヨーグルトなどの加工物を作り出す機械が存在し、今回は事前情報でそれを推していることも分かっていました。
実際、今作から導入されたクラフト機能を使って、ゲーム内で3日も経たないうちにメーカーを作ることができます。
発売初期の仕様では、1つのメーカーで作れるものは一種類を1つのみ、しかもかなり時間がかかるという、恐らくシリーズ中もっとも性能の悪いメーカーの仕様となっています。
後日修正パッチが配信され、1つのメーカーに最大10個分まで原料を入れることができるようになったのですが、1つのメーカーで並行しての加工はできないことと、今回の仕様で原料から一次加工品にする必要のあるものが大幅に増えているため、牧場の敷地内に大量のメーカーが置かれるという状態になっています。
これは過去作と比べると性能が非常に悪いと感じました。
しかもデザインが「いかにも工業機械」といった外観であり、なおかつ1つのメーカーで4マス専有し、更には牧場の外のフィールドにしか置けないため、広い範囲で無機質な雰囲気を醸し出しています。
一つ前のシリーズ作品の「3つの里と大切な友だち」では、仕様の関係でメーカーの入手にはゲーム内日数でも最短で半年以上かかり、メーカーの入手自体はそんなに早くなく、加工品にするにもゲーム内の時間で最短10分、最長は数時間かかります。
しかし、1つのメーカーでミルクを投入してチーズ、ヨーグルトなど系統の同じ加工物を複数作ることができ、なおかつヨーグルトを複数作りながら、チーズを複数作るというような、並行した加工を行うことができています。
更に過去の作品に遡ると、1つのメーカーでは一度につき1種類しか加工できなくても、一瞬で加工が完了する仕様になっています。
恐らく今作で参考にしているであろう、「Stardew Valley」でも確かに1つのメーカーではメーカーでは1種類を1つしか加工できず、しかも時間のかかるものも多いです。
ですが、メーカーの外観は樽のようだったり、糸車のようなものがあり、かつ1つのメーカーで専有するのは1マスで、更には小屋の中などの室内に置くことも可能になっているため、牧場の雰囲気を壊すということはありません。
余談ですが、「Stardew Valley」では大工のところへ行けば材料とお金を使って牧場内に「納屋」を建てることができ、その中にメーカーをまとめて配置することもできます。
また、過去作でも「メーカー小屋」というものを作って、その中に各種メーカーを配置するという仕様になっていたものもあります。
過去のシリーズ作品や影響を受けた作品の仕様を参考にして応用すれば、もう少しマシになっていたのではないでしょうか……

収納の性能に難がある

今作は「クラフト」に注力しているようで、メニューから様々な物を作成できたり、メーカーを使って作れる加工品の種類が大幅に増えています。
ですが、それに対しての収納の性能がよくありません。
リュックサックは最大でも32〜40種類程度しか入らず、更にそこへ道具が入ってくることで実質的に使えるスペースは30種類分にも満たない状態です。
拾って出荷できる野生植物の種類も多いので、牧場内で色々と拾っていると、あっという間にリュックが一杯になってしまいます。
なので出荷しようと出荷箱に行くのですが、出荷箱自体が牧場の入り口に一つのみの固定配置なので、後述する移動速度の遅さと相まって相当にストレスになります。
せっかく「道具袋」という要素を出したのですから、種も含めた道具は一律そこに収納する仕様として、リュックとは別の枠として扱うという仕様でも良かったのではと思います。
また、今回は道具も含めてすべてのアイテムを一律に「収納箱」というクラフトアイテムへ収納する仕様なのですが、やはりアイテムの種類の多さと相まってストレスがたまります。
どこに何をしまったかについては自分で収納箱を配置して暗記するしかなく、更にはお店などでアイテムが必要な場合に参照ができません。
おまけに最初に作れる木の収納箱では収納するアイテムの種類がそう多くありません。
リアルと言えばリアルですが、ゲームのプレイの快適さでは良くないと感じます。
一つ前のシリーズ作品「3つの里と大切な友だち」と対比すると、こちらでは種類ごとに収納先が決まっていました。
また、リュックの中のUIがアイテムのアイコンではなく、名前のリストになっていたため、最大まで強化するとプレイするには十分な容量のアイテムが収納できていました。
資材を収納するため建物や出荷箱は建築をお願いしないといけないのですが、エディットモードで好きなところに配置でき、出荷箱は牧場内のフィールド内に複数配置することができます。
つまり、畑や果樹を一箇所に集約してその付近に出荷箱を配置し、収穫したあとにすぐに出荷することも可能です。
今作、前作と同じく牧場内が3つのエリアに分かれる、3DSの「はじまりの大地」でも出荷箱は同じ仕様でした。
前作までの3DSで出た作品では道具やその他のアイテム、食材は家の中にそれぞれ専用の収納先があったのですが、こちらについてもアップグレードすることでかなりの種類のアイテムを収納することができます。
そして少なくとも前作の「3つの里と大切な友だち」では、お店での建築や衣服の作成を頼む場合に、家の中にある収納箱の中身を参照して作成することができています。
今回は収納箱を自分で作るという仕様上、お店でのアイテム参照は難しかったのかもしれませんが、そもそも収納箱をクラフトする仕様はこのシリーズではあまり必要が無く、過去作と同じく家の中や専用の建物に収納を集約して出荷箱を複数自由に配置できるようにするか、収納に関しては各エリアの入り口付近に収納小屋のような物を配置してその中に各種の収納アイテムを置き、その中身が別エリアの収納とリンクし、お店での注文時に中身を参照できるでも良かったのではないかと思います。
初代から一貫して女神さまやコロボックルのようなファンタジーなものが出てくる世界観なのですから、不思議な力で収納がそういうふうになっていたとしても、プレイヤーはほとんど疑問は抱かないのでは無いかと思います。
納得させたければそういうイベントを入れればいいだけの話ですし……

移動速度が遅い

まだ馬に乗るところまで行っていないのですが、そこを抜きにしても主人公自身の移動速度が遅くてストレスが溜まります。
今回の時間経過の速度は比較的早い上にフィールドも広く、前述したように頻繁に収納や出荷箱、メーカーと行き来するので移動速度が遅いのはかなりのストレスです。
3DSのシリーズも同じくらいに時間経過は早かったのですが、フィールドの広さがそこまでなかったり、建物の中で時間が止まってくれたり、食べ物の効果で足が速くなったりします。
時間の経過が現実時間の1秒で1分なのですが、そこをもう少し遅くするか、主人公自身の移動速度を上げて、生身でもそこそこ一通りこなせるけど、馬に乗るともっと早くて作業に余裕ができるくらいのバランスに調整してほしかったです。

木や石の再出現頻度が早すぎる

今作では原料が必要なこともあるのでしょうが、牧場内に大量の木や石、草が出現します。
過去作でもゲーム開始時は木や石、草が牧場内にあり、それを取り除いて開拓するのが序盤の醍醐味の一つだったのですが、今作では取り除いたあとの再出現頻度が相当早いです。
前作までの3DS作品でも確かに木や草は再出現していましたが、1つのエリアに1日2〜3本生えだせば多いくらいの頻度でした。
ところが今回は、木や草は一つのエリアに一日4〜5本は生えだしているのでは無いかというくらいの速度であり、なおかつ石も一つのエリアに2〜3個ずつ再出現するのでかなり景観が悪くなります。
上にオブジェクトが配置されていると出なくなるので、道などを大量に敷けば良いのでしょうが、なるべく地面を自然のままに残しておきたいプレイヤーにとってはかなり悩ましいところです。
このあたり、コロポン(今回のコロボックルに相当するキャラクター)のお手伝いとして木や石、草を取り除いて原料にするのをやってもらう、あるいは牧場のエリア内で木や石、草を取り除いた後は再出現の頻度を大幅に落とし、近所に木や草などの原料の採取地として森を配置するでも良かったのでは無いかと感じました。

住民との会話が乏しい

このシリーズは作品ごとに様々な住民が登場し、その住民たちと仲良くなることでイベントを見ることも楽しみの一つなのですが、今作の住民は話しかけてもほぼ「こんにちは」しか言いません。
前作までだとあまり打ち解けていないにしても、もうちょっと何かしら話していたのですが……
しかも、毎月ある各種のお祭りの3日前程から「〇〇楽しみだね」、 お祭りが終わった後も3日ほど「〇〇楽しかったね」のようなセリフを毎日言います。
プレイヤーにお祭りのことを忘れさせたくないのでしょうが、家にはカレンダーがありますし、前日朝には町長が翌日のお祭りについて知らせに来てくれるので、そうそう開催自体を忘れるということはありません。
住民が「こんにちは」しか言わない問題については、アップデートがあり、現在では過去作と同じくらいには話すようになっています。
しかし、お祭り3日前〜3日後まで同じセリフを話す問題はまだ解決していません。お祭りの前日と翌日なら、過去作でも似たような仕様のものはあったのでまだ分かるのですが、合計6日間は長くてしつこいなと感じます。

カメラワークが良くない

今回、ハードがSwitchになったことで3Dモデルの質はかなり上がっていると思います。
しかし、カメラワークが良くないので余りその恩恵を感じません。
住人に話しかけたときはその方向からある程度カメラを近づけるだけで、横顔だけでは表情がわからないことのほうが多いです。
今作では3DS作品に比べるとキャラクターモデルが大きい事もあってか立ち絵が無いのですが、このカメラワークでは表情があったとしてもさっぱり分からずに愛着の湧きようもありません。
過去の作品でも立ち絵のない作品は確かにありましたが、その場合はかなりカメラが接近して横顔でも表情が分かったり、相手の顔が見えない位置から話しかけた場合はカメラが回転して近づき、正面から話しているかのように見えていました。
透けて見えるようになる判定が少し甘いのか、牧場内でも木の多いところに入ってしまうと、主人公の位置がかなり見えにくいと感じることがあります。
住民とのふれあいもこのシリーズの魅力の一つですので、このあたりも修正してくれると、だいぶ楽しくなるのではと思います。
住民との会話時のカメラワークについては、アップデートで「おはなしカメラ」機能が追加されたため、ある程度は解消しています。

メインストーリーの達成感が乏しい

今回は「寂れた町を観光地として復興させる」というメインの目的が一応あるらしく、序盤から町長に町を栄えさせるために色々とお願いをされます。
しかし、依頼されるものはクラフトで作る加工品ばかりで農作物や畜産物、出荷額ではなく、頼まれた三種類のうちの一種類の依頼を達成すればその依頼がすべて達成された扱いとして話が進んでしまいます。
また、依頼された物を使って町長が町を改装していくのですが、改装された点が一部を除くとかなり分かりにくく、達成感に乏しいです。
ストーリーそのものの期限が一年など短いのであれば、依頼の達成条件を簡単にするのはありかもしれませんが、今回の仕様的に一定年数で期限を切って周回プレイを繰り返すようには思えませんので、三種類全て達成でメインストーリーが進む形でも全く問題は無いと思えます。
それからメインストーリーの進行で一部の結婚相手や住民が登場する、町の外見が変わるだけでなくて更に様々なお店や施設が利用できるようになるなどあれば、もう少し達成感が有ったのかなと感じました。
この意味の開拓という要素では、3DSの「はじまりの大地」が達成感が強かったように思えます。
こちらは、主人公とこの土地を開拓したいという村長しかいない状態から始まり、主人公が住民の住む家をクラフトして村の中に配置することで住民が引っ越してきて増える仕様でした。
また、井戸などの依頼のあったオブジェクトをクラフトして村の中に配置することでもメインストーリーが進行していくので、実質的に自分の手で村を作っていく形式になっていました。
テーマが「開拓」であれば、こちらを参考にしていればもっと良くなったかもしれないなと思いました。

住民イベントの出来があまり良くない

このシリーズの楽しみの一つは、町や村に住む住民と仲良くなってイベントを見ることで、キャラへの理解を深めることです。
しかし、今回の住民イベントはあまり出来がよくないと感じました。
個人的には三つほどありますので、以下に挙げておきます。 一つは、イベントの中で主人公が放置されてしまったり、話としてぶつ切りになることが多い点です。
例を上げると、主人公がある住民に近づくとイベントが始まり。初めは主人公にあれこれと話すのですが、途中でもう一人の別の住民がやってくると、その住民とずっと話して二人で去っていき、それでイベントが終わってしまうというものがあります。
また別の例として、イベント内の流れで主人公が食事に誘われるのですが、主人公が誘われて去っていくシーンで終わってしまうというものもありました。
どちらも、最後にイベント対象の住民との会話があれば、ぶつ切りとは感じないので、その部分だけでも追加してほしいなと思いました。
もう一つは、プレイして微妙な気分になるイベントが多いことです。
選択肢で何を選んでも微妙な反応でダメ出しされてしまったり、主人公や登場する動物の扱いが良くないなと感じるイベントがいくつかあり、そのイベントに遭遇すると、イベントの相手の住民へのプレイヤーの気分が一気に落ちてしまいます。
過去作も仲良くなるまでは日常会話がぶっきらぼうだったり当たりが強めな住民はちらほら居たのですが、イベントでは流石にもう少しまともだった記憶があります。
後日のアップデートで、動物の扱いについてひどい内容のものはセリフの修正などが入っているので多少はまともになってはいます。

賛否両論な点

動物のお世話の簡略化

動物のお世話というのはこのシリーズにつきもの作業で、ニワトリに話しけたり、ブラシでウシを洗ったり、乳搾り器でウシからミルクを絞ったりするのですが、今作ではここがかなり簡略化されています。
ニワトリのお世話が撫でるだけというのは、過去作でもニワトリとのコミュニケーションは抱っこするだけということが割と有ったので「まあこんなものかな」とすぐに慣れました。
しかし、ウシのお世話が素手で撫でるだけで、コミュニケーションと乳搾りを兼ねてしまうのは結構違和感があります。
動物のお世話の簡略化としては、過去にも搾乳室を建築してウシに教えておくと、時間になると自分で入っていって搾乳されてくるという作品があり、そちらは「ちょっとリアルだなあ」と思ったのですが……
ずっとシリーズ作品をやっている身としては、こういう作業も「牧場物語らしさ」を感じる部分なので、ゲーム進行で手に入る装置やアイテムで簡略化できるならまだしも、そこは最初から変に省略してないで欲しかったなあと思いました。

野生動物と魚の収集

今作の町には博物館があり、野生の動物を撮影した写真を博物館へ寄贈することができます。
また、魚を釣り上げることで博物館にその魚が記録されます。
ここまでは良いのですが、博物館に展示されるものとしては、動物は像だけで、魚に至っては水槽の中に影が泳ぐ形になっています。
せめて像を調べたときに寄贈した写真や詳しい情報が見れたり、魚も同じように詳しい情報が見れたらもっと良かったと思います。
ただ、今までのシリーズ作品の雰囲気からすると、博物館よりも図鑑の方が雰囲気として合っているなと感じます。
また収集要素としても、図鑑を埋めて研究しているキャラクターの元へ見せに行くの方が違和感が少なかったように思えます。

良い点

クラフトの豊富さ

今回は「クラフト」に注力しているようだと言うのは事前の紹介動画でも見ていました。
確かにゲーム内日数でのほぼ初日に、メニューから行けるクラフトで多少の物を作ることができるようになります。
過去作でも牧場の敷地内に「工房」があって、そこで作成方法を知っている道具やアイテムは全部自分で作れるという作品は存在しました。
ただ、そちらの作品はレシピ集めがお店で買う他に、住民から教えてもらったり、品評会などのお祭りで優勝しなければならないものもあり、全部揃えるのはかなり困難でした。
その点、こちらはクラフトのレシピはスキルレベルを上げることで覚え、料理のレシピは新しい作物を収穫して知ることで覚えていくので、その点は非常に楽です。
欲を言えば、料理のレシピ位は住民と仲良くなって教えてもらうものが住民の人数分くらい有っても良かったかなと思います。

スキルレベル制

今回は色々な作業をやっていると「スキルレベル」が上がって「称号」を得ることができます。
スキルレベル制自体は過去作でも一部作品に有ったのですが、隠しパラメータだったり、そこまで恩恵の無いものだったりするので存在としてはそんなにありませんでした。
今作ではスキルレベルが上がって称号を得ると、新しいクラフトのレシピを覚えるので、やり込みがいは過去作よりもあります。
レシピを覚えたときに通知してくれると、もっと達成感があってよかったと思いますし、称号もただ得るだけではなくて、装備して恩恵を得たり、スキルレベルを上げないと行けない、行っても困難な場所があるなど、ゲーム進行にもう少し関わればやりがいがもっと感じられるかもしれません。

自由な畑の作成

3DSのシリーズ作品では、畑は「畑」というアイテムを作り、それを牧場内のフィールドに配置して耕すことで畑を作る仕様になっていました。
肥えた畑など色々グレードアップが有ったのは良いかもしれませんが、昔からのプレイヤーとしては少し違和感がありました。
今作では過去の多くの作品と同じく、牧場内の任意の地面を直接耕すことで畑を作ることができます。
3DSのシリーズ作品で気になっていたのが、牧場内に配置する様々なオブジェクトと畑の配置が大きさの関係でやりにくく、思い描いたような配置にすることが難しいと感じていたことでした。
今作で畑はフィールドを直接耕して、各種オブジェクトは自由に配置という形になり、好きな形の畑にすることができるので、その点はかなり解消されていると感じます。

種のまとめまきと無効な種まきの抑止

今回、農業のスキルレベルを上げていくと早いうちに「まとめまき」というスキルを覚えます。
これは同じ種を複数スタックしたものを装備した状態で道具の使用ボタンを長押しすることで、最大で前方の3x3の範囲にまとめて種をまくことができるスキルです。
過去の作品だと、1マスにつき種1つ、かつそれをまとめてまくことができるという仕様は「わくわくアニマルマーチ」でありました。
が、今作には無効な種まきの抑止という更に嬉しい機能が追加されています。
過去作では全く耕していない場所で種を使うと、そのまま種を消費してしまう仕様でした。
しかし今作では、耕されていない牧場内のフィールドで果樹以外の種や苗を使った場合は、アイテムは消費されずにそのまま残ります。
これはまとめまきでも同じで、例えば、前方3x2の範囲しか耕されていない場合で9個の種を装備してまとめまきを使うと、9個の種のうちの6個を前方の耕された3x2の範囲にまいてくれます。

動物の手なづけ

今作のニワトリやウシなどの畜産動物は牧場内で野生化していて、対応する小屋を修理した後に手なづけることで最初の一頭を飼い始める仕様になっています。
手懐ける事自体は良いのですが、おじいさんが亡くなった後に人が居なくなり、家自体も消失している牧場でウシやニワトリが野生化してウロウロしているのはちょっと不自然に感じました。
また、手なづけ自体も対応した小屋を直した後に小屋を移動してしまうと再度手なづけをやり直さなければならないのはかなり煩雑です。
小屋の修理で対応した動物を飼うことが解禁される仕様そのものは、ゲームを進めていて開拓している感が有って良かったと思います。
欲を言えば家も雨漏りのしそうなボロいものから始まっていれば、ここまでの違和感はなかったかもしれません。

伝聞で知った微妙な点

以下はまだ自分がそこまでプレイしてはいないのですが、ネット上で確認した仕様で微妙だなと思った点についてです。

動物の愛情度上限の仕様

シリーズ作品の多くの仕様として、飼うことのできる動物の多くには「愛情度」というパラメータがあります。
このパラメータは動物をお世話することで増えていき、増えるとミルクなどの動物からの副産物の品質が上がったり、ペットの場合はお手伝いの能力が上がる効果があります。
また、お祭りの中でも飼っている動物を出場させることができるお祭りの場合はこのパラメータが割と重要になります。
同じプロデューサーで出されたリメイク作品「再会のミネラルタウン」からの仕様だそうですが、初期状態では愛情度に上限、いわゆるレベルキャップがあり、ウシなどの畜産動物の愛情度は最大まで上げられません。
その動物に種付けをして子供が産まれると、その子供とそれ以降にお店で購入する同種の動物のレベルキャップが解除され、親の最大愛情度+いくらかまでの愛情度まで上げられるようになるとのことです。
つまり、愛情度を最大まで上げたければ世代交代は必須であり、更に最初に飼った畜産動物は永遠に最初の上限値以上に上げられないということです。
個人的な感覚ですが、このシリーズ作品を長くプレイしている人は、初めに飼った動物を寿命まで大事に育てていったりと、長く愛着を持つプレイヤーが多いでしょうし、各種のお祭りもまずは先に飼った動物を出場させて優勝しようとするのではないでしょうか。
そういうプレイスタイルと、この仕様は相性が良くありません。
ゲームの進行の要素としてのレベルキャップは否定しませんが、種付けをして子供が産まれた場合は、その動物を育成する主人公の経験が増えたとみなして、親も含んで同種の動物の愛情度の上限を解放する仕様のほうが合っているように思えます。
また、レベルキャップを解放する要素を主人公の育成の経験と考えると、動物の世代交代だけではなく、一定以上動物を育て続けることや、該当する種類の動物が出場したお祭りでの入賞など、いくつも考えることができます。

子供の授かり方について

このシリーズの大半には結婚という要素と共に子供を授かるという要素があります。
子供を授かるときは町に居るお医者さんか産婆さんとともに出産のイベントに臨むのですが、今作では子供は授かりますがそのイベントは存在しません。
ではどうやって子供を授かるかというと、コロポンがある日、「自然の恵み」と称して主人公夫婦の元に子供を渡しに来るというものになっています。
なお、これは異性同士の夫婦、同性同士の夫婦の両方で同じ仕様になっています。
同性同士の夫婦ならまだしも、異性同士の夫婦でもそうする必要が有ったのかは疑問です。
もしかしたらCEROの判定を気にしたのかもしれませんが、今までのシリーズでそこを気にする人はほとんど居なかったのではないかと思います。
また、CEROの判定が上がる要素であれば既に恋愛の要素が入っているので、それだけで加算されているはずです。
なお、今作の町であるオリーブタウンは、シリーズ作品に登場した町や村のなかでもかなり発展した町ですが、なぜかお医者さんはいません。
そのあたりもキャラクター配置として疑問に思えました。

動物小屋の移動について

牧場内に自由に物を配置できるのがウリの一つの今作では、もちろん動物小屋も自由に移動できます。しかし、動物小屋を移動させると小屋の名前の付け直しが毎回発生する上、中に居た動物たちは一度野生に戻るので再度手なづけなおす必要があるとのことです。
動物小屋の自由な配置自体は、3DS以降のシリーズ作品すべてに存在しました。ですが、そちらでは中に居た動物ごと移動することが可能で、名前の付け直しも発生しません。
今作のこの仕様は煩雑な感じがして、小屋の移動自体が面倒でやりたくないと感じる人が多いのではないでしょうか。